最初に映画化と聞いた時におどろいた。 原作を読んでいたから。原作は15年間かかって84人に面談しておこなわれた聞き取り調査、つまり徹底したノンフィクションである。それをどんなふうに映画化するのだろうか!?。しかし、その不可能は可能に変わった。その制作に至る裏話がここにある。本書を読むと、原作者である森田さんも当初は取材の性質上無理だとおもったのがわかる。しかし時をおなじくして森田さんは原作をコミック化したもの準備されていたらしい。それが映画関係者の目に止まり映画の素になった…。私は、そうか!そういう形でのフィクションという手があったんだなぁと感心した。徹底的なノンフィクションだからデータ化ができて特徴がうきぼりになる。特徴はある性質をもち、それはルールとも言えるかもしれない。それらを踏まえた作品ならノンフィクションの性質を崩さずにフィクションも可能。つまりサイエンス・フィクションの手法であり、映画がもともととても科学的なものなのがわかる。ちなみに私は映画をみたが、映画をつくるプロ集団ってのはすごいのですね。基本がサイエンスでありながら とても温かい愛を感じる作品にもなっている。(いったい愛とはフィクションなのかノンフィクションなのか?!) さて、本書の内容に戻れば、映画化の経緯 撮影同行記につづいて、圧巻の質疑応答部分がある。インタビューアの質問攻めがすごくて、そのあくなき好奇心の連打がまた科学のメスを感じさせ、見所の一つ。それに答えてく森田氏もすごい。微細な証言もあますことはない。気がつけば、最先端の証言もくわわり、生まれ変わりのルールを抽出されようとしている。実際的な生まれ変わりのガイドブックとしても読み応えがすごい。本来なら「再会の狙い撃ち」は難しいそうだが…なにかここにおいてフィクションとノンフィクションはつながり、私達を誘う広がりをみせているとおもう。
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